対応期限を入力しても、全相談の一覧を目で追うだけでは、遅れている相談を見落とします。一方、期限が空欄の相談や完了済みの相談まで期限超過として表示されると、一覧が役に立ちません。
今回のアプリでは、期限超過を明確に定義し、Sliceで専用一覧を作りました。状態別件数と期限超過を一緒に見るダッシュボードも用意しています。
この記事でわかること
- 期限超過を判定する4つの条件
- 期限空欄、当日、完了、取消を除外する式
- 一覧とダッシュボードの役割分担
- 日付条件を確認するときの注意点
期限超過の定義を先に決める
今回の期限超過は、次のすべてを満たす相談です。
- 対応期限が入力されている
- 対応期限が今日より前である
- 状態が完了ではない
- 状態が取消ではない
「今日が期限」の相談は、まだ期限を過ぎていないため含めません。期限が空欄の相談も、日付を比較できないため期限超過には含めません。
期限未設定を見落としてよいという意味ではありません。期限未設定は「期限超過」とは別の管理課題なので、全相談や未対応一覧で確認します。
期限超過Sliceの式
OverdueRequestsというSliceを作り、Row filter conditionに次の式を設定しました。実際のアプリでは、この条件に管理者判定も加えています。
AND(
ISNOTBLANK([DueDate]),
[DueDate] < TODAY(),
NOT(IN([Status], LIST("完了", "取消")))
)
それぞれの条件には役割があります。
| 条件 | 除外するもの |
|---|---|
ISNOTBLANK([DueDate]) |
期限空欄 |
[DueDate] < TODAY() |
今日と未来の日付 |
NOT(IN(...)) |
完了と取消 |
<= TODAY() にすると、今日が期限の相談も含まれます。業務上の「期限超過」が何を指すかによって式が変わるため、言葉の定義と式をそろえる必要があります。
境界値を含むサンプルで確認する
期限の式は、期限切れの行だけを置いて試すと誤りに気づきにくくなります。今回の初期データには、次の例を含めました。
- 昨日以前の期限で、未対応または対応中
- 今日が期限
- 未来が期限
- 期限空欄
- 過去の期限だが完了
- 過去の期限だが取消
2026年9月23日の検証では、想定した3件だけが期限超過一覧に表示されました。今日、未来、空欄、完了、取消の行が混ざっていないことを確認しています。
この結果は9月23日を基準にしたものです。TODAY()を使う一覧は、日が変われば件数も変わります。記事の画面例を公開するときは、撮影日とサンプルの日付が一致しているか確認が必要です。
状態別件数をグラフにする
管理担当者が全体の状況を把握できるよう、Requestsを元に状態別件数のChartを作りました。
設定は、Histogram、集計はCOUNT、分類はStatusです。検証後の14件では、未対応5件、対応中5件、完了2件、取消2件となり、シートの件数と一致しました。
グラフは傾向をつかむための画面です。個別の対応期限や担当者を確認するには一覧が必要なので、グラフだけで管理を完結させません。
ダッシュボードに2つの画面を置く
「対応状況」というDashboardを作り、次の2画面を配置しました。
- 状態別件数
- 期限超過
管理担当者は、全体の件数と、すぐ確認すべき相談を同じ場所で見られます。スマートフォン向けプレビューではタブ切替にしました。
今回確認したのはPCの実アプリとエディタのモバイルプレビューです。スマートフォン実機での操作性、画面サイズごとの見え方は未検証です。
SliceはSecurity filterの代わりではない
Sliceは、表示する行や列、操作を整理するために便利です。しかし、管理者用Sliceを社員のメニューから隠しただけで、安全にデータを分離できるとは説明できません。
今回のアプリでは、管理者用ビューのShow_Ifに加え、RequestsとUpdatesへSecurity filterを設定しています。Sliceは画面構成、Security filterはアプリへ取得する行の制限として役割を分けています。
日付とタイムゾーンの注意
期限超過はTODAY()に依存します。利用端末、アプリ、データソースのタイムゾーンが異なる環境では、日付境界の見え方を確認する必要があります。
今回、GoogleスプレッドシートのタイムゾーンはAsia/Tokyoに設定しましたが、異なる端末タイムゾーンや深夜をまたぐテストは行っていません。日付が重要な運用では、公開前チェックに含めてください。
まとめ
期限超過一覧を作るときは、「期限あり」「今日より前」「完了・取消以外」の条件を明示します。空欄や当日を含めるかどうかを、業務ルールとして先に決めることが重要です。
状態別グラフと期限超過一覧を組み合わせると、全体と優先対象を同じ画面で確認できます。ただし、SliceやDashboardは閲覧権限そのものではありません。
