「Google Workspaceを自社に導入する場合、毎月合計でいくら支払うことになるのだろう」
「Business Starter、Standard、Plusというプランがあるけれど、自社にはどれが合っているのか分からない」
このように悩んでいる中小企業の経営者やIT担当者の方もいるのではないでしょうか。
前回の記事では、個人向けの無料Gmailと有料のGoogle Workspaceの違いについて、独自ドメインの利用や組織管理の必要性という観点から比較・解説しました。
Google Workspaceを導入する方針が決まった後、次に判断する必要があるのが「料金」と「プラン」です。
- Google Workspaceの料金を決める基本的な仕組み
- 5名・10名・20名で利用した場合の月額料金の目安
- Business Starter・Standard・Plusの主な機能の違い
- 自社に合ったプランを選ぶための判断基準
有料サービスが必要か迷っている場合は、先に「無料GmailとGoogle Workspaceの違い」を確認すると判断しやすくなります。
※本記事に記載している料金・仕様は、2026年8月21日時点のGoogle公式情報を確認したものです。料金は通常料金・消費税別で記載しており、期間限定のキャンペーン割引価格は含めていません。
結論からいうと、Google Workspaceの料金は、「利用するアカウント数」「契約するプラン」「年間プランかフレキシブルプランか」の組み合わせで決まります。
料金だけで最も安いプランを選ぶのではなく、ストレージ容量、Google Meetの利用方法、AI機能、データ保持や端末管理など、自社に必要な機能を整理してから選ぶことが大切です。
Google Workspaceの料金システム「基本となる仕組み」
Google Workspaceの料金体系は、基本的にはシンプルな「掛け算」で考えられます。
自社で導入を検討する際は、まず3つの要素を押さえておきましょう。
料金を決定する3つの要素
- 登録するアカウント(ライセンス)数
Google Workspaceは、会社全体で一括の定額料金を支払う仕組みではなく、利用するユーザー数に応じて料金が発生します。
例えば、10名分のユーザーライセンスを契約する場合は、基本的に「1ユーザーあたりの料金 × 10ライセンス」で費用を考えます。
- 契約するプラン(エディション)
中小企業が主に検討するBusinessエディションには、次の3つがあります。
- Business Starter
- Business Standard
- Business Plus
プランによって、1ユーザーあたりの料金だけでなく、ストレージ容量やGoogle Meet、Google Vault、AI、管理・セキュリティ機能などに違いがあります。
- お支払い契約プラン
Google Workspaceでは、主に「年間プラン」と「フレキシブルプラン」という契約方法があります。
同じBusiness Starterなどを選んでも、どちらの契約方法にするかによって1ユーザーあたりの料金が変わります。
コストと柔軟性が異なる「2つのお支払いプラン」の特徴
年間プラン
1年間以上の利用を前提に、一定数のライセンスを契約する方式です。
フレキシブルプランより1ユーザーあたりの料金を抑えられます。
ユーザーアカウントの追加・削除自体はできますが、契約期間中に購入済みライセンス数を減らして契約料金を下げることはできず、ライセンス数を減らせるのは原則として契約更新時です。
社員数が比較的安定しており、継続利用を前提としている企業では検討しやすい契約方法です。
フレキシブルプラン
長期契約の縛りがなく、ユーザーアカウントを必要に応じて追加・削除できます。
料金はその月に利用したユーザー数に応じて計算され、月途中にユーザーを追加・削除した場合は日割りで調整されます。
年間プランより1ユーザーあたりの料金は高くなりますが、人員の増減が多い企業や、一時的に利用人数が変わる場合には柔軟に運用しやすい契約形態です。
利用人数別にGoogle Workspaceの料金はいくら?
自社でGoogle Workspaceを導入した場合に「結局、会社全体で毎月いくらかかるのか」をイメージできるよう、5名・10名・20名で利用する場合の料金を計算します。
※すべて2026年8月21日時点の通常料金・消費税別で計算しています。
【5名規模】スモールスタートする場合の月額料金イメージ
5名で利用する場合の月額料金は次のとおりです。
Business Starter
- 年間プラン(月額800円 / 人):4,000円 / 月
- フレキシブルプラン(月額950円 / 人):4,750円 / 月
Business Standard
- 年間プラン(月額1,600円 / 人):8,000円 / 月
- フレキシブルプラン(月額1,900円 / 人):9,500円 / 月
Business Plus
- 年間プラン(月額2,500円 / 人):12,500円 / 月
- フレキシブルプラン(月額3,000円 / 人):15,000円 / 月
【10名規模】中小企業で導入する場合の月額料金イメージ
10名で利用する場合は次の金額になります。
Business Starter
- 年間プラン(月額800円 / 人):8,000円 / 月
- フレキシブルプラン(月額950円 / 人):9,500円 / 月
Business Standard
- 年間プラン(月額1,600円 / 人):16,000円 / 月
- フレキシブルプラン(月額1,900円 / 人):19,000円 / 月
Business Plus
- 年間プラン(月額2,500円 / 人):25,000円 / 月
- フレキシブルプラン(月額3,000円 / 人):30,000円 / 月
【20名規模】組織的に利用する場合の月額料金イメージ
20名で利用する場合は次の金額になります。
Business Starter
- 年間プラン(月額800円 / 人):16,000円 / 月
- フレキシブルプラン(月額950円 / 人):19,000円 / 月
Business Standard
- 年間プラン(月額1,600円 / 人):32,000円 / 月
- フレキシブルプラン(月額1,900円 / 人):38,000円 / 月
Business Plus
- 年間プラン(月額2,500円 / 人):50,000円 / 月
- フレキシブルプラン(月額3,000円 / 人):60,000円 / 月
利用人数が増えるほどプランによる合計金額の差も大きくなるため、単純な月額単価だけではなく、自社で本当に必要な機能とのバランスを確認することが重要です。
Google Workspace主要3プランの料金・機能比較
中小企業が主に検討するBusiness Starter・Business Standard・Business Plusの3プランについて、主な違いを比較します。
| 比較項目 | Business Starter | Business Standard | Business Plus |
|---|---|---|---|
| 料金(1ユーザー・月 / 税別) | 年間:800円 / フレキシブル:950円 | 年間:1,600円 / フレキシブル:1,900円 | 年間:2,500円 / フレキシブル:3,000円 |
| ストレージ容量 | 30GB / ユーザー(プール型) | 2TB / ユーザー(プール型) | 5TB / ユーザー(プール型) |
| Google Meet参加人数 | 最大100人 | 最大150人 | 最大500人 |
| Google Meet録画 | 利用不可 | 利用可能(録画・文字起こしなど) | 利用可能(録画・文字起こし・出席状況確認など) |
| Gemini / AI機能 | GmailのGemini AIアシスタント、Geminiアプリなど | Starter+Drive、Docs、Sheets、Slides、MeetなどのWorkspace AI機能 | Standardと同等のWorkspace AI機能 |
| Google Vault | 利用不可 | 利用不可 | 利用可能 |
| 管理・セキュリティ機能 | 基本的な管理・セキュリティ機能 | Starter+Driveの高度な共有設定、ランサムウェア検出など | Standard+高度なエンドポイント管理など |
※料金・機能は変更される可能性があるため、契約前にはGoogle公式サイトの最新情報も確認してください。
比較1:保存できる「ストレージ容量」
Google Workspaceでは「プール型ストレージ」という仕組みが採用されています。
プール型ストレージとは、契約しているユーザー分の保存容量を組織全体でまとめて利用できる仕組みです。
例えば、10名でBusiness Standardを契約すると、
2TB × 10ユーザー = 組織全体で20TB
のプール型ストレージが提供されます。
管理者がユーザーごとの保存容量上限を設定している場合などを除き、各ユーザーは組織全体で利用可能なストレージ容量を共有して利用します。
Business Starterは1ユーザーあたり30GBです。
メールや一般的な書類が中心であれば候補になりますが、写真・動画・大容量PDF・図面などを多く保存する企業では、必要な容量を事前に確認しておきましょう。
Business Standardは1ユーザーあたり2TB、Business Plusは5TBのプール型ストレージが提供されるため、大容量ファイルを扱う場合でも組織全体の容量に余裕を持たせやすくなります。
共有ドライブを使う予定がある場合は、「Google Workspaceの共有ドライブの作り方」も確認し、必要な機能と運用をセットで検討してください。
比較2:Google Meetの「参加人数・録画機能」
Web会議で利用するGoogle Meetもプランによって違いがあります。
Business Starterでは最大100人まで参加できますが、会議の録画機能は利用できません。
Business Standardでは最大150人、Business Plusでは最大500人まで参加できます。
また、StandardとPlusでは会議の録画や文字起こしなどを利用できます。
Business Plusでは、さらに出席状況を確認する機能にも対応しています。
取引先との商談や社内研修、定例会議などを録画して後から確認・共有したい場合は、Standard以上を検討する判断材料になります。
比較3:設定したルールに沿ってデータを保持する「Google Vault」
Business Plusでは「Google Vault」を利用できます。
Google Vaultは、組織向けのデータ保持・検索・エクスポートなどを行うためのサービスです。
一般的なバックアップソフトとは役割が異なり、「削除されたデータを何でも必ず復元できる」という機能ではありません。
管理者が設定した保持ルールや、特定のデータを保持するためのホールドなどに基づいて、対象となるメール、チャット、Googleドライブなどのデータを保持できます。
法務対応や監査などで過去の業務データを確認する必要がある場合に、保持ルールやホールドの対象となっているデータを検索・エクスポートするために利用できます。
そのため、法的なデータ保持や監査対応などが求められる企業では、Business Plusを検討する判断材料の一つになります。
比較4:業務を支援する「Gemini / AI機能」
Google Workspaceでは、GoogleのAI「Gemini」を業務に活用できます。
ただし、利用できるAI機能の範囲はプランによって異なります。
Business Starterでは、GmailのGemini AIアシスタントや、チャット形式でAIを利用できるGeminiアプリなどを利用できます。
Business StandardとBusiness Plusでは、さらにGoogleドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、Meetなど、より広いGoogle WorkspaceサービスでAI機能を利用できます。
例えば、文章作成や要約、データ整理、会議内容の支援など、普段利用するWorkspaceアプリの中でAIを活用できる範囲が広がります。
また、Business StandardやBusiness Plusでは、高度なAI機能の利用上限などを拡張する追加オプションが提供される場合があります。
AI関連の機能や利用上限は変更されやすいため、AI活用を重視してプランを選ぶ場合は、契約時点のGoogle公式情報を確認してください。
比較5:管理・セキュリティ機能の違い
Google Workspaceでは、どのBusinessプランでも管理コンソールを利用して、ユーザーやセキュリティに関する設定を管理できます。
Business Starterでは、ユーザーの追加・停止や2段階認証など、組織利用に必要となる基本的な管理・セキュリティ機能を利用できます。
Business Standardでは、Starterの機能に加えて、Googleドライブの高度な共有設定やランサムウェア検出など、ファイル共有・保護に関する機能が拡張されます。
Business Plusでは、Standardの機能に加えて、高度なエンドポイント管理などを利用できます。
社員が利用するPCやスマートフォンを含めて、より厳格に端末やデータを管理したい企業では、上位プランの機能も確認しておきましょう。
自社にはどのプランが向いている?判断基準
Google Workspaceには「このプランを選べばすべての会社にとって正解」というものはありません。
自社が解決したい課題や必要な管理レベルから選ぶことが重要です。
【Business Starter】コストを抑えて基本機能から始めたい場合
Business Starterは、次のような企業で候補になります。
- 独自ドメインの会社用メールアドレスでGmailを利用したい
- GoogleカレンダーやGoogleドライブなどの基本的な共有機能を利用したい
- 動画や大容量ファイルを大量に扱う機会が少ない
- 1ユーザーあたり30GBのプール型ストレージで足りる
- 組織向けGoogle Workspaceをできるだけ低いライセンス料金から導入したい
会社用メールと基本的なグループウェア環境を整えることが主な目的であれば、Business Starterから比較してみると分かりやすいでしょう。
【Business Standard】大容量ストレージやMeet録画を活用したい場合
Business Standardは、次のような企業で候補になります。
- 1ユーザーあたり2TBのストレージを確保したい
- 写真、動画、図面など容量の大きい業務データを扱う
- Google Meetの録画や文字起こしを利用したい
- Driveの高度な共有・アクセス管理を利用したい
- Starterより広いGoogle Workspace内のGemini / AI機能を活用したい
特に、ファイル容量・Web会議・AI活用などでStarterでは足りない機能があるかどうかが判断ポイントになります。
【Business Plus】データ保持や高度な端末管理が必要な場合
Business Plusは、次のような企業で候補になります。
- Google Vaultを利用して、保持ルールやホールドに基づくデータ保持を行いたい
- 法務対応や監査で過去の業務データを検索・エクスポートする必要がある
- 1ユーザーあたり5TBのストレージが必要
- PCやスマートフォンを含めて、より高度な端末管理を行いたい
- より高いレベルの情報管理・セキュリティ統制が求められている
単純に「一番上のプランだから安全」と判断するのではなく、Vaultや高度な端末管理などの機能が自社で必要かを確認しましょう。
従業員数が300名を超える場合や、より高度な要件がある場合
Business Starter・Business Standard・Business Plusは、最大300ユーザーまでのBusinessエディションです。
300ユーザーを超えて利用する場合や、より高度なセキュリティ・コンプライアンス機能が必要な場合は、Enterpriseエディションも検討対象になります。
例えば、組織としてさらに高度なデータ損失防止(DLP)や情報保護などを必要とする場合は、Businessエディションだけで判断せず、Enterpriseを含めて必要な機能を確認しましょう。
【筆者経験】ITサービス選定における要件整理と優先順位付け
筆者のシステム開発やプロダクト開発の経験でも、まず解決したい課題を整理し、必要な機能に優先順位を付けることを重視してきました。
ITサービスのプランを選ぶ場合も、最初に機能数や価格だけを見るのではなく、「自社が何を実現したいのか」を整理したうえで、そのために必要な機能へ優先順位を付けることが大切です。
Google Workspaceでも、必要な機能と現在の課題を照らし合わせたうえで、Starter、Standard、Plusのどれが自社に合うかを判断しましょう。
料金以外に発生し得る周辺コストと注意点
Google Workspaceの導入予算を考えるときは、毎月のライセンス料金だけを見ればよいわけではありません。
環境によっては、導入や運用に別の費用・工数が発生します。
独自ドメインの取得・維持にかかる費用
自社のメールアドレスとして、
@company.co.jp
などの独自ドメインを使用する場合は、ドメインそのものを取得・維持する費用が発生します。
ドメインの取得・更新料金は、ドメインの種類や契約するドメイン事業者によって異なります。
Google Workspaceのライセンス料金とは別の費用として確認しておきましょう。
導入設定や既存メールの移行にかかる工数・費用
現在利用しているメールサービスからGoogle Workspaceへ移行する場合は、初期設定や既存データの移行作業が必要になることがあります。
例えば、
- ドメインの確認
- DNS設定
- MXレコードの切り替え
- ユーザーアカウントの作成
- 過去メールの移行
- 社員への利用案内
などです。
社内の担当者が対応する場合には作業工数がかかります。
自社だけで対応するのが難しい場合に、外部事業者へ初期設定やメール移行を依頼すれば、Google Workspaceのライセンス料金とは別に導入支援費用が発生する可能性があります。
そのため、導入予算を考える際は、
「毎月のライセンス料金」+「必要に応じた周辺費用・社内工数」
まで含めて考えておくと安心です。
まとめ|自社に必要な管理レベルで選ぼう
Google Workspaceは、会社の人数や利用目的によって適したプランが異なります。
- Business Starter(月額800円〜 / 人):独自ドメインメールや基本的な共有機能から始めたい企業向け
- Business Standard(月額1,600円〜 / 人):2TBのストレージ、Meet録画、より広いWorkspace AI機能やDrive管理機能などが必要な企業向け
- Business Plus(月額2,500円〜 / 人):Google Vaultによるデータ保持や監査対応、高度な端末管理などが必要な企業向け
料金だけを比較するのではなく、
「独自ドメインメールを使いたい」
「大容量のファイルを保存したい」
「会議を録画したい」
「AIを業務で活用したい」
「データ保持や端末管理を強化したい」
といった自社の目的を整理することで、必要なプランを判断しやすくなります。
次のステップ:必要なアカウント数と、自社に必要な機能を整理する
自社に合いそうなプランの方向性が見えてきたら、次に必要なのは実際に利用するアカウント数を決めることです。
まずは、
- 会社用メールアドレスを付与する社員は何人か
- 必要なストレージ容量はどの程度か
- Google Meetの録画は必要か
- Gemini / AI機能をどこまで利用したいか
- Vaultや高度な端末管理が必要か
を整理してみましょう。
必要なアカウント数とプランの方向性が決まれば、次は具体的な申し込みや初期設定へ進めます。
Google Workspaceの導入手順については、今後の記事で詳しく解説予定です。
まずは、自社でGoogle Workspaceを利用する社員を洗い出し、必要なライセンス数を確認するところから始めてみてください。
プランを選んだ後は、「Google Workspaceの導入手順」で申し込みから利用開始までの全体像を確認できます。